SpaceFlier

写真で綴る、趣味と猫と旅行のノート

MFTユーザー諸氏に贈る広角レンズマトリクス

先日出勤時に会社の鍵を忘れてしまい、他のスタッフと入れ違いで事務所に入れないという失態を犯してしまいました。自由出勤という非常にフリーダムな労働環境なのでそのまま回れ右しても問題はないものの、仕事用のデータが入ったディスクは会社にあるのでこの日に限ってはそうもいかない。

どうしようかと逡巡した結果、ビックカメラに寄っていこうとこれまたフリーダムな結論を出してしまいました。

いきさつはともかく、この日のお目当てはマイクロフォーサーズ(以下MFT)の超広角レンズ。以前、立ち寄った際にNOKTON 10.5mm F0.95がショーケースに陳列されているのを覚えていたんですよね。それに加え新商品としてパナソニックのLEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm/F2.8-4.0も並んでいたので、「ついつい」というか「しめた」というか、この2本を試せばMFTの超広角レンズは一通り試写したことになるなとやってしまいました。

そんなわけで、あくまで主観に基づきますがこれまで実写した4本のMFT超広角レンズの特性をざっくりマトリクスにまとめてみようと思います。(※MZD 7-14mm F2.8 PROだけは手元にデータが残っていなかったのでファインダーで覗いた時の印象です)

なお、この記事で想定する読者の皆さんは穴が空くほどあちこちの作例をご覧になっているかと思いますので、MFTユーザーとしての印象を中心にまとめます。また、厳密な比較をお求めの方はカタログやカメラ雑誌の比較レビュー等をご参照ください。

単焦点

MFTの超広角域の単焦点で悩ましい存在なのがPROMINAR 8.5mm F2.8とNOKTON 10.5mm F0.95の2本です。それぞれ35mm版換算で17mmと21mmなので迷うものではないという意見もありますが、お金は有限、1本選ぶならどちらかという気持ちもお察しします。ですので画角の違いはさておいて、それぞれの個性を見ていきましょう。

PROMINAR 8.5mm F2.8

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新宿御苑にて友人に借りた時の写真です。一言でまとめると「真っ正直に強い」レンズ。重量は440gとちょっとスペックにしては重い気がしますが、質感を見れば納得の数字。

電子接点を持たず極力光学で補正された描写は力強く硬さを感じます。水平や垂直のラインをしっかりと意識しないと35mm版換算17mmの画角はパースと合わせて違和感も強調されてしまいます。

f:id:sfTKL:20170617002858j:plain 水平が狂っているわけではありません

フォーカスリングや絞りリングのトルクは粘りがあり重め。ファインダーを覗いてのフォーカシングは8.5mmという焦点距離と開放がF2.8で最初からディープフォーカスということもあり、フォーカス面が捉えづらい印象があります。星景などでできるだけ感度を抑えたいという場合を除いてはある程度絞って構図のみに集中するのがいいのかもと感じました。

NOKTON 10.5mm F0.95

一方のNOKTON。こちらは店内での試写にとどまりますが、とにかく驚かされるレンズです。そもそも被写界深度の深いMFTであり10.5mmという焦点距離なのでボケなんて無縁だという先入観があったのですが見事に裏切られました。フォーカスリングや絞りリングのトルクはやや重い(ZeissのPlanarなどに較べて)気はするものの適度といった範囲でしょうか。重量は今回のレンズの中で最重量の585g、手に持つとずっしりきます。

f:id:sfTKL:20170617002140j:plain 左下部分などに見られる縞はフリッカーの影響です

E-M1 Mark IIにマウントしてまずは開放で最短撮影距離。信じられます?超広角でMFTなのに背景が判別できないほどの溶け具合。

f:id:sfTKL:20170617003256j:plain F4

絞っていくとF4ぐらいですっきりシャープネスが立ち上がってきます。わずかに焦点距離が長いとは言え、開放からあまりボケを感じなかったPROMINARに較べずいぶんとボケがのこります。加えて感心したのがそのボケの綺麗なこと。(PROMINARと撮影状況が違うのでボケが分かりやすいことは考慮の上です)

パンフォーカスまでいかず、背景がややボケるぐらいのシチュエーションだと後ボケがざわっとするレンズも多いですが、このレンズは本当にスムーズにボケてくれます。

ズーム

かわって次は超広角ズームです。こちらは2本とも純正の上級ラインに設定されたレンズでAFはもちろん防塵防滴にも対応しています。登山やスキーなどでの仕様を想定している私にとっては非常にありがたい存在です。

LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm/F2.8-4.0

PanasonicのフラッグシップモデルGH5に合わせてリリースされたライカ銘を冠した最新のズームレンズ。見た目は開放F2.8の超広角ズームレンズとしては「あれ?」と思うぐらいコンパクトで、実際手に取ってみても非常に軽いのですが、作りは丁寧でズーム・フォーカスどちらのリングもスムーズでした。今回ピックアップした中で315gと最も軽量なレンズです。フードは鏡胴と一体でバヨネット式でテレ端にズームするにしたがって前玉が奥に引っ込む形です。

f:id:sfTKL:20170617003442j:plain ワイド端 F2.8(開放)

ブログの画面上ではややボケているように見えますが中央の棚にピントはしっかり合っています。電子補正も相まっての効果だと思いますが、しっかり線はまっすぐで手前のパネルのボケも綺麗です。

f:id:sfTKL:20170617004618j:plain ワイド端 F2.8(開放)

後ボケもすっきり。

f:id:sfTKL:20170617003827j:plain テレ端 F4.0(開放)

同じ場所から今度はテレ端。周辺の光量落ちもあまり気になりませんし、何より35mm版換算で36mmになる画角は使い勝手が良さそうです。テレ端の開放がF4となるものの28mm相当止まりのM.ZUIKO DIGITAL 7-14mm F2.8 PROと上手い具合にレンジをズラしたなと感じます。

同様にM.ZUIKO DIGITAL 7-14mm F2.8 PROと広角端の差も大きいですが、重量のことも含めると山へ持っていくレンズとして第一候補になりそうです。

M.ZUIKO DIGITAL 7-14mm F2.8 PRO

このレンズについては過去に試写したことはあるのですが、どうも展示機で撮っていたようで撮影データが残っていませんでした。なので、実写は後日追加する予定ですがファインダー越しに感じた印象となります。

レンズの作りはM.ZUIKO 12-40mm F2.8 PROやM.ZUIKO 40-150mm F2.8 PROと同様に金属外装・フォーカスクラッチ・L-Fnボタンの装備に防塵防滴とこなれたものです。私自身がこれまでPROシリーズレンズを使ってきた中で得た信頼感をそのまま持つことができるのは頼もしい限り。重量は534gでフード一体型。

実写データが残っていなかったのであまり細かく語れないですが、オリンパスのPROシリーズらしい描写で印象を一言で表すなら「容赦ない写り」です。難を言えば今回並べたレンズの内、唯一フィルターの装着が不可だということ。

MFTの超広角レンズマトリクス

ここまで超主観的にそれぞれのレンズの印象を挙げてきましたが、それを踏まえ特徴をマトリクスに落としてみました。なお内容にはあまり関係ありませんがマイクロフォーサーズシステムのアスペクト比に合わせた4:3にこだわった図となっております。

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結局の所、自分が欲しいレンズはなんなのか?を調べた結果でしかないのですが、それぞれ非常に個性が際立つレンズなのでますます悩みは深まるばかりです(苦笑)。

フォーサーズフォーマットは望遠向きなんて言われますけど、実際に悩ましいのは広角という不思議。アウトドアアクティビティでとなると私の場合LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm/F2.8-4.0が最適解かと思いつつもNOKTONの味わいも捨てがたく、そうなると偏るからNOKTONと7-14かなどと堂々巡りです。

あれ?もしかしてNOKTONに心が決まっているような・・・?