SpaceFlier

写真で綴る、趣味と猫と旅行のノート

2時間夢中になった生命のドラマ、ニイニイゼミの羽化を観察した話

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夏の風物詩のひとつ蝉の抜け殻。アブラゼミの抜け殻はキラキラして透き通っていて神秘的ですよね。子どもにとっては宝物のように見えるらしく、ふだんは虫が苦手なうちの娘も手に取って眺めたりしています。

そろそろ梅雨も明けそうな気配が漂ってきた7月下旬の夜、近所の公園で毎年恒例となった蝉の羽化の撮影をしてみることにしました。タイトルでお察しかと思われますが、この記事はほぼ前編セミのクローズアップ写真で構成されています。個人的には虫が苦手な人でも羽化の様子は目を奪われる美しさがあると思うので最後までお付き合いいただきたいのですが、お付き合いいただきたいのですが、無理強いするものでもないので一応断っておきます。

アブラゼミを見に行ったつもりが

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仕事を切り上げ夜の公園へ向かってみるとアブラゼミはおろか、ちっとも羽化をしている様子がありません。鳴き声もまばらですし少し時期が早かったかなと帰りかけたところで1本のメタセコイアにだけセミの幼虫がとりついているのに気が付きました。

近づいてみると小振りでアブラゼミではないようです。ヘッドライトで近くから照らしてみるとニイニイゼミでした。いつも泥の付いた小さな抜け殻だけは見かけていましたが羽化中の姿は初めてでしぼみかけたテンションがいっきに盛り返しました。

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キレイな羽だなーなんてしばらく眺めていたのですが、すでに羽化も終盤で抜け殻を離れて樹上へ移動していく個体もチラホラ。これは早い時間からしっかり観察してみたいと翌日に改めることにしました。

日暮れから始まる2時間のドラマ

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さて、前夜の反省から時間を変えて、陽が沈み始める18時頃に再訪してみました。前の晩に観察した木の周りを探してみるとちょうど根元から登ってくる個体がいましたので、彼をじっくりと観察してみることにしましょう。

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強い風が吹いていますが一歩一歩確実に爪をひっかけ登っていく姿はなんだかアックスを使って断崖を登るクライマーを見ているようです。時おり風に煽られふらっと吹き飛ばされそうになりながら気が付けば私の身長より高い場所まで到達しています。

せっかく強力なマクロ撮影機能をもった OLYMPUS TG-5 を持ってきているので顕微鏡モードにしてその一歩一歩を動画で撮影してみました。思いつきで撮影したもののPCに取り込んで見返してみるとなかなか面白くジンバルが欲しくなってしまいました。(マクロ性能活かしたまま使えるとなるとRONIN-SCとかになっちゃうんですかね)

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健気に登り続けるセミを眺めていると気が付けば陽も沈みかけ。回りを見回してみると先ほどまでは見かけなかったアブラゼミやニイニイゼミの他の個体の羽化も始まっているようです。休憩がてら少し他も観察して戻ってくるとこの個体を見失ってしまいました。わずか数分の間だったのですけど、風に飛ばされてしまったのかと足下を探してみるとチラホラ弱々しくもがいている幼虫(ニイニイ・アブラ問わず)がいくつもいました。風で飛ばされたのか力尽きたのかは分かりませんが、土から出てきても簡単に羽化できるわけではないということを知る機会になりました。(特に羽化途中途中で、背中が割れた状態で落ちるとどうにも軌道修正できないらしい)

日が暮れてからがクライマックス

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見失ったことを嘆いても仕方ないので数m離れた木に見つけた個体で観察を続けます。光量も少なく暗い中でのマクロ撮影、そこそこ絞りたいですし自然光のみではツラくなってきたので一緒に観察していた娘にオフカメラにしたストロボでアシストしてもらいます。実は対象物へしっかり目線を向けないとライティングがうまくいかないことを利用した強制観察トラップなのですが、なんだかんだいいながら楽しんでもらえたようです。

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背中を割って羽化が始まるとそこからはあっという間に姿が変わっていきます。まさに変態。伸びたばかりの羽は青く美しく、風が吹けばふにゃふにゃとなびいてしまいますがそれも数分のこと。

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あっという間に羽は硬さを帯びてピシッとした形になっていきなっていき、抜け殻を残して夜の空に消えていきました。

気がつけばスマホに妻から夕飯なので帰ってこいとメッセージ。2時間ほど夢中になった夏の夜のネイチャードラマでした。

撮影に関して

昨年まではLEDライトを使って手持ちで撮影していましたが、シャッタースピードと被写界深度を両立させるためにはやはりスピードライト(ストロボ)は欠かせません。今回は夕暮れ時にミックスすることも含めてGODOXのTT600にAK-R1というアクセサリーキットに含まれるラウンドドームディフューザーを使用しました。アウトドアで使うと光のエッジが柔らかく減衰していくので扱いやすかったです。

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